2015年2月3日火曜日

道南ドクターヘリ運用にあたって

2月16日よりとうとう道南ドクターヘリが導入されます。

これによりここ松前においても、救命可能な命が増えることでしょう。

実際に運用前に色々とシミュレーション行っていますが(私の頭の中や医局の皆様と)、当院においてはなかなかその運用方法が難しいことがわかってきました。

道南ドクターヘリにおいては、原則キーワード方式

となっているため、ドクターヘリ依頼をするかどうかは救急司令部の判断にゆだねられます。
いろいろとケースシミュレーションしたところ、

①高エネルギー外傷(高所からの墜落、車対車の交通外傷など)
②突然発症の頭痛、意識レベル低下
③心臓由来と思わせる胸痛

おそらくこのような要請のときにドクターヘリを要請したくなると思います。
ただし、②、③の場合、いわゆるハズレのこともたくさんあると考えられます。
医療者でない方(傷病者本人やその家族)が焦りながら、119に連絡して上手に症状を伝えられるとは限りません。そのような中で、「危ない」と考えさせるようなキーワードを伝えられるか難しいからです。
 ドクターへリ要請が空振りだった場合(実は重症でなかった場合(そんなのは医療者が実際に患者さんを診ないとわかりませんが))、基幹病院(市立函館病院を中心とした、函館市内の病院)は大変です。今までなら、それぞれの地域で診ていた傷病者を函館で診ることになるのです。家族も大変です。重症そうだから、最初から函館の大きい病院で診てもらいたいという気持ちもあると思いますが、同時に家族の方を一緒に乗せていけないことが多いため、車などで函館に向かってもらわないといけなくなります。何ともない場合には、函館に行ったはいいがすぐに帰るということもありうるということです。

 地域によっては、とても助かる面もあるでしょう。

内科医しかいないところで高エネルギー外傷の傷病者がきた。
診療所しかないところで頭部CTが取れないためどのみち遠方の病院へ搬送をしないといけない。
こういった場合を想定してのドクターヘリだと思いますが、このような場合は地域の病院(医師)も助かりますし、患者さんにとってもいいでしょう。

 ただ、松前病院の場合は今までもそのような患者様に応えようと、最低限の施設設備(MRIはないが、一応CTはある。)はあります。医師も内科、外科にとらわれることなく救急疾患においても、初期評価と初期対応は行えるようトレーニングを受けています。患者様のためにも物も場所も不十分なヘリや救急車内で医療行為をするより救急室で呼吸、循環の安定をと図ってからの搬送としたほうが安全だと考えるのですが、これまたヘリ搬送利用の基準が難しいのです。
 

病院間の搬送としてドクターヘリを用いる場合

同時に要請が他にもあった場合、現場へ向かう要請を優先とすること

松前病院では、病院間搬送でのドクターヘリを用いることが、この地域の方にとっても一番幸せな利用法と考えていましたので、ヘリ本部とも松前消防ともヘリの利用について今後も話し合いが必要だと思っています。

ドクターヘリにより

 助かる命が増える


これはとても大切なことだと思いますが、お金もかかることです。住民の方にとっては、
「ヘリの利用料は、自分たちで払わないから関係ないや」
と言っていても、これは、皆さんの貴重な税金で運用をまかなっています。本来であれば、今までは各市町村でその他の町政のために使われるはずだった税金を費やしています。税金を払っているのは市町村に住んでいる皆様です。
何億というお金を毎年使い、運営していくことになります。

一極集中型にして、命を救う

という考えもありますが、それぞれの地域での守備範囲を拡げて、適した患者さんを適したタイミングで3次医療機関に搬送する

という考えもあります。

医療資源の有効活用という観点から上手にやっていきたいものです。
住民の方も、医療者もみんながhappyとなるような方法を模索していきたいです。

病院屋上から見える白神岬

 

0 件のコメント:

コメントを投稿