2013年11月6日水曜日

よろこびと悲しみと

先日、救急医学会専門医試験の合格通知が届きました。
昔からそうですが、僕は試験が苦手です。一年越しの合格。

1年前に不合格となって大好きだったコーヒーを願掛けにして絶ちました。

いろいろな誘惑がありましたが、なんとか一年間コーヒーを飲まずにやってきました。

一年ぶりに飲むコーヒーはお腹に少しこたえましたが、とてもおいしかった。

その翌日、祖父が亡くなったという連絡。享年85歳。
7月頃から体調が悪く入院していました。一時はもうだめか?というところまで悪化し、夏に一度京都まで会いに帰りました。会って話をすることができました。
 その後、療養型病院へ転院して11月まで頑張りました。

おじいちゃんにとっては、初孫の僕。
昔から、勉強に関しては事にうるさく「ちゃんと勉強せんといかんぞ。」といつでも言われていました。
 また、運転免許を取った後からは「車の事故にだけは気をつけるんだぞ。」と。

いつも、晩酌で日本酒を2合飲むおじいちゃん。それ以上飲むことはなかったおじいちゃん。日曜大工が得意なおじいちゃん。木工でおもちゃを作ってくれたおじいちゃん。

 酔っぱらうと、「一緒に伊吹山に登って、温泉に行ったなー。あのとき、おまえが、『なんで、あの人は背中に大きな絵が書いてあるの?』と大きな声で言って、こまったなー。」と僕が小学生の頃の話をいつもしていました。

医学部に受かったときも、本当にうれしそうで、たいそう喜んでくれました。

そんなおじいちゃんに、直接医療者として関わることは一度もできませんでした。

孫として何年かに一度会うのみ。特に医者になってからの7年間はほとんど会えませんでした。京都に帰省したときに、あえるかどうか。
お通夜で対面した顔はとても綺麗で穏やかな顔をしていました。

 もう、僕にはおじいちゃんはいません。

人の死に直面することはたくさんありましたが、身内の死はやはり違います。
その人の人生を長く知っている分、お別れがつらいです。

今まで以上に、患者さんの死に直面するにあたって、


「今までのいろいろな人生があっての『死』」


であることを考えなければならないなと思いました。
僕が、おじいちゃんにできなかったことを、他の医師や看護師さんがされていたように、僕は目の前の患者さんに対して、満足してもらえるよう医療に従事していこうと。

「死」

は誰にでも訪れるものです。犯罪者にも、見識者にも。
人生最後を「生きてて良かった」と思ってもらえるようにこれからも医療に従事していきたいものです。
おじいちゃんが好きだったお酒です。
普段は、こんな上等品は飲んでいませんでしたが、最後は口に含ませてあげました。






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